▼選択肢は初期段階非表示
▼A 「どうせぼくは滑るより転がるほうが似合ってますよ」
▼B 「そ、そんなに太ったかな?」
▼A 「もう、帰ろうよ。それにほら、雲行きだって怪しいし」ぼくはそう言って、空を指さした。
▼B 「じゃああと一回だけだよ」真理の懇願するような表情に負けて、ぼくはしぶしぶ承知した。
A 一旦部屋に戻って着替えると、玄関脇の談話室で落ち合った。
B 一旦部屋に戻って着替えてから、夕食までどちらかの部屋で話でもしようということになった。
▼C 疲れがひどかったので、夕食まで仮眠を取ることに決めた。
A 「な、何言ってんだよ!そんなつもりじゃ……」ぼくはドギマギした。
B 「愚問だよ、ハニー。ぼくの好みは、ベイベー、君だけさ!」ぼくはチッチッチッと指を振った。
C 「待ってて、じっくり吟味するから」ぼくはなめるような視線を向けた。
A 「……うん」ぼくは正直に答えた。
B 「真理の方が、ずっときれいさ」ぼくはお世辞を言った。
A 「きれいだ」……外国映画の男優のように、スマートに決めた。
B 「君の瞳に乾杯」……ハンフリー・ボガードを気取った。
C 「セクシーだよ」……007のように甘く危険な香りを漂わせた。
D 「ガチョーン」……とっておきの谷啓の物真似を披露した。
A 「しかし、ヤクザがこんなところに……?」ぼくは思わず口にしていた。
B 「あの人、ヤクザかなあ?」ぼくは真理に意見を求めた。
A 「え?……ああ、もちろん」ぼくは笑顔を返した。
B 「嫌だよ、バイトあるのに」こっちの都合も考えてくれよ……。
C 「もちろん宿泊代は、タダなんだろうね!」こういうことはキチッと念を押しておかなければ。
A 「冗談じゃないよ。何でぼくがよく知りもしない彼女達にそんなこと……」ぼくはおどろいて抗議した。
B 「ばれたか。実はそうなんだ」ぼくはにやにや笑いながら言った。
A 「まだ先の話なんで……」ぼくは無難な返事をしておいた。
B 「「はい!ぜひお願いします!」ぼくは力をこめて言った。
A 「そ、そうですね……考えておきます」なんとかこの話題を終わらせたかった。
B 「分かりました。お願いします」ぼくは、腹をくくった。
A 「ぼくも少しだけ」控え目に言った。
B 「ワンケースもあれば十分です」酒に強い所を見せてやろうと思った。
C 「タダですか?」念を押した
A 「そうですね」ぼくはあいづちを打った。
B 「そうは思いませんね」ぼくは逆らった。
A ぼくは特に何も言わなかった。
B 「ほんとうですね。最近の若い女は……まったく……」いらだたしげに同意した。
C 「ああいうのって、上司のしつけなんですよね。結局……」ぼくはため息まじりに、しみじみと語った。
A 「大雪で閉じ込められて、飢え死になんて、って言ってたんです」
B 「スープにゴキブリが入ってたんですよ」
C 「いやね……今夜誰かが死ぬ……なんて脅迫状があったんですよ」
▼A 「調べないんですか?」ぼくは小林さんをうながした。
▼B ぼくはためらっている小林さんの脇を通って、中へ入って行った。
A 「一階から調べましょう」
B 「二階から調べましょう」
A 犯人は、もっと前からペンションの中に入りこんでいたんじゃないだろうか?
B ぼく達の中に、アリバイのない人がいることに気がついた。
A 「ぼくも一緒に行きます」ぼくは立ち上がった。
B 「……」ぼくは真理のそばにいてやろうと思って、黙っていた。
A 「……30分もあれば、なんとかなるんじゃないですか」ぼくは少し考えたのちに言った。
B 「10分ぐらいかな?」ぼくは適当に言った。
A 身元を隠すため?
B どこかへ運ぶため?
C 恨み?
A 「……いえ。構いません。俊夫さん、行きましょう」
B 「すいませんけど、他の人にしてください」
A セッケンを使ったかどうか、調べることにした。
B バスタブを使ったあとがあるかどうか、調べることにした。
C バスタオルが湿っているかどうか、調べることにした。
A 「田中さんを殺した犯人は分かったよ」
B 「みどりさんを殺した犯人は分かったよ」
C 「すべての事件の犯人が分かったよ」
D 「いや、やっぱり、今の時点では犯人は限定できない」
A 「……あります」ぼくは胸を張って言った。
B 「正直言うと……自信ないです」ぼくは少しためらった後で答えた。
A といって、一晩どちらかの部屋で過ごそうと声をかけるのも何だかためらわれた。
B 「真理。ぼくの部屋に来ないか」ぼくは思い切って言った。
A ぼくは黙って手を伸ばすと、彼女の手を軽く握った。
B ぼくは彼女の隣に座ると、肩に腕を回した。
A 一刻も早く真理の元へ行こうと思った。
B ドアを叩きまわって助けを呼ぼうと思った。
A ぼくは、香山さんが地下室にいるのかどうか確認するのが先だと思った。
B 一刻も早く小林さん達の様子を見に行こうと思った。
A 真理の前で弱音は吐けない。
B もうこんな所は逃げ出した方がいい。
A 今の状況では、取るに足りないことだと判断して、無視することにした。
B ごくりと唾を飲み込んで、ドアに近づいた。
A 真理のことが心配になって、ぼくは再び駆け出した。
B ぼくは慎重にロックをはずすと、ドアを小さく押し開けた。
A ぼくは意を決して、荒れ狂う吹雪の中に足を踏み出した。
B 一刻も早く、真理の元に戻ろうと思った。
A しかし一人では無理でも複数なら……。ぼくは恐ろしい想像をした。
B もしや、香山さんが……。そういえば、香山さんの脈を取ってなかったことを思い出した。
A そんなはずはない。香山さんは確かに死んでいた。
B 香山さんが本当に死んでいることを確認する必要があると思った。
A あいつだ。
B 真理だ。
C ぼくだ。
END09 彼女をモップで……
終